この記事の要点(30秒でわかる)
  • 会議は終わっても、そのあとの「議事録づくり」で数時間——その“見えない残業”を生成AIで減らせます。
  • いまのAIは録音→文字起こし→話者の切り分け→要約→ToDo(宿題)の抽出まで、まとめて自動化できます。
  • 公開解説では、1時間会議の議事録づくりが2〜3時間 → 15〜30分に短縮という目安も。
  • 本記事は失敗しない始め方 5ステップと、導入前に知っておきたい注意点を、専門用語ぬきで解説します。

会議のあとに残る、“見えない残業”

会議中、ノートパソコンを操作する相手の向かいでスパイラルノートにペンでメモを取る手元

打ち合わせそのものより、じつは負担が大きいのが「終わったあとの議事録づくり」ではないでしょうか。録音を聞き直し、誰が何を言ったかを書き起こし、要点をまとめ、決まったことと宿題を整理する——1時間の会議のために、その後2〜3時間かかることも珍しくありません。

これは、少人数で何役もこなす中小企業や個人事業ほど、こたえる作業です。担当者の時間が奪われるうえ、後回しにされて「議事録が結局つくられない」「言った・言わないでもめる」といった問題にもつながります。

総務省の「令和7年版 情報通信白書」でも、生成AIの用途として「メールや議事録、資料作成などの補助」は代表例として挙げられており、日本でこの用途に生成AIを使っていると答えた割合は約47%と報告されています。議事録づくりは、いま最もAIに任せやすい業務のひとつなのです。

生成AIの「議事録自動化」は、何をしてくれるのか

ノートパソコンを操作する手とペンで書類にメモを取る手が並ぶ、打ち合わせ中の机の俯瞰

「AIで議事録」と聞くと文字起こしだけを思い浮かべがちですが、いまのツールはもっと先まで自動でやってくれます。流れはおおむね次のとおりです。

① 録音・録画→ ② 文字起こし→ ③ 話者の切り分け→ ④ 要約→ ⑤ 決定事項・ToDo抽出

つまり、人がやるのは「録音ボタンを押す」ことと「できあがった議事録の最終チェック」だけ。あいだの面倒な作業を、まるごとAIに任せられるイメージです。

どれくらいラクになる?——時間短縮の目安

効果は業務によって差がありますが、公開されている解説や導入事例では、次のような目安がよく挙げられます(数値は各出典の報告値であり、環境により変わります)。

項目 手作業のとき AI活用のとき
1時間の会議の議事録 約2〜3時間 約15〜30分(最終チェック含む)
作成にかかる工数 聞き直し・清書で高負担 公開事例では7〜9割削減の報告も

たとえば週に5回会議があるなら、削減できる時間は毎週まとまった量になります。その分を、接客・営業・企画といった「人にしかできない仕事」に回せる——ここが最大のねらいです。

失敗しない始め方 5ステップ

オフィスのデスクでノートパソコンに向かい作業する2人の社員。手前に女性、奥に男性が座っている

いきなり全社導入や有料契約に進む必要はありません。次の順番なら、費用も手間も抑えて、無理なく始められます。

  1. まず「1つの会議」で試す
    毎週の定例など、負担が大きい会議を1つだけ選びます。最初から全部に広げないのが成功のコツです。
  2. 無料・低コストのツールで小さく検証する
    多くのツールに無料プランやお試し期間があります。まずは実際の会議で「文字起こしと要約の精度」を体感してみましょう。
  3. “使える議事録のひな形”を決める
    「決定事項/宿題(担当・期限)/次回までの確認事項」など、自社に必要な項目をテンプレート化。AIに毎回この形で出力させると、そのまま使えます。
  4. 最終チェックの担当と手順を決める
    AIの下書きを誰が確認し、いつ共有するかを決めます。「AIが下書き→人が5分で確認」という分業が基本形です。
  5. よかったら、他の会議へ広げる
    効果を確認できたら、対象の会議を少しずつ増やします。社内ルール(後述)を整えながら広げると安全です。
💡 ツール選びで迷ったら

議事録ツールは無料〜法人向けまで数多くあります。判断軸は「日本語の精度」「自社の会議形式(対面/オンライン)への対応」「情報の取り扱い(セキュリティ)」の3点。まずは無料プランで“自社の会議で使えるか”を確かめるのが近道です。

導入前に知っておきたい、3つの注意点

便利な一方で、押さえておかないと後で困るポイントもあります。次の3つは最初に決めておきましょう。

  1. 情報の取り扱い(機密・個人情報)を確認する——会議の内容は社外秘や個人情報を含みます。利用するツールが情報をどう保存・利用するか(学習に使われないか等)を、利用規約で必ず確認しましょう。
  2. AIの要約は“最終チェック”が必須——AIの文字起こしや要約は高精度化していますが、専門用語や固有名詞の聞き間違い、ニュアンスのズレは起こり得ます。公開・共有する前に人が確認する運用を必ず入れてください。
  3. 「何のための議事録か」を決めておく——記録として残すのか、次の行動につなげるのか。目的が決まると、AIに出させる形式(要約の粒度・ToDoの有無)も定まり、ムダがなくなります。

よくある質問(FAQ)

Q. パソコンが苦手でも使えますか?
A. はい。多くのツールは「録音(またはオンライン会議に参加させる)→自動で議事録が生成」という流れで、専門知識は不要です。難しいのは最初の設定だけで、そこは代行・伴走支援も利用できます。

Q. 対面の会議でも文字起こしできますか?
A. できます。スマホやPCのマイクで録音すれば、対面の打ち合わせでも文字起こし・要約が可能なツールが増えています。オンライン会議(Zoom・Teams など)にAIを参加させて自動記録する方式もあります。

Q. 費用はどれくらいかかりますか?
A. 無料で使えるプランから、月額数千円〜の有料プランまで幅広くあります。まずは無料プランで自社に合うかを試し、必要に応じて有料へ切り替えるのが失敗しない進め方です。

Q. セキュリティが心配です。
A. もっともな懸念です。会議内容は機密情報を含むため、「入力データを学習に使わない」「国内保存」などの方針を明記したツールを選ぶこと、社内で利用ルールを決めることが大切です。この設計・ルールづくりからご相談いただけます。

参考:総務省「令和7年版 情報通信白書」(企業におけるAI利用の現状)/AmiVoice「生成AIと音声認識による議事録作成のすべて(2026)」/各AI議事録ツールベンダーおよび導入事例の公開解説をもとに、Office Nが中小企業向けに再構成。
※時間短縮・削減率は各出典の報告値であり、会議の形式・人数・音声環境・使用ツールにより変わります。生成AIの出力は誤りを含む場合があるため、公開・共有前の確認を推奨します。ツールの機能・料金・データ取り扱いは各サービスの最新の公式情報をご確認ください。

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